最近なにかと熱いIT業界
実業家としてメディアなどで取り上げられる人たちも、
今やそのほとんどがIT業界で起業して成功した人たちです。
不況が長くつづき、将来に不安を抱えている若者がそのような人を見れば、
「自分もいつかIT起業家になりたい」と思うのはごく自然なことでしょうかね。
しかし、同じようなことを思う人はたくさんいます。
そしてITの技術も、よほど高度なものをもっていないと、
激しい競争を生き抜くことができません。
いまや多くの人が日常的にパソコンを使い、
趣味であってもプロフェッショナルなみの知識や技術をもって
ソフトの開発をしているようなひとはたくさんいます。
つまり、IT技術者などは掃いて捨てるほどいるのです。
「基本的なことはできます」程度では、
仕事を続けていくことはできないでしょう。
それにもかかわらず、「とりあえずITをやっておけば稼げるはずだ」
という短絡的な思考でIT業界を目指す人が後を絶たないのが現状ですが、
そんな簡単なことではありません。
また、最近人気の高い「スマホアプリの開発」についても同じです。
「簡単な技術で、1本30分あればアプリがつくれる」と言われていますが、
これはベースのしっかりある人の話。
アプリ開発のど素人が、はじめてのアプリをすぐに30分で作れるわけではありませんし、
基本的な技術がすぐに習得できたとしても、
それはワープロソフトでいえば「文字の入力ができます」というレベル。
それだけできちんとしたビジネス文書をつくることはできませんよね。
これをアプリ作成として考え直して見るとわかるかと思いますが、
そのレベルで「できます!」と威張ったところで何もなりません。
求められるスキルは高い
また、開発というのは、実際の制作作業の前に、
企画を作ってアプリの構造を考えるという作業があります。
これがしっかりしていなければ面白いアプリなど作れるわけがありませんし、
ましてやそれでもうけるなんて夢のまた夢です。
そのようなベースの部分に目を向けず、
「何をやれば楽してもうけることができるか」ということばかりを
追い求めていろいろなものに手を出す「おめでたい人」はたくさん存在します。
そして同時に、そのような人を「かも」にする詐欺まがいの商売も
世の中にはびこっているのです。
どんな仕事でもそうですが、きちんと下地をつくり、
確かな技術に基づいて仕事ができるようにしなくてはなりません。
そこをおろそかにしては、ITの世界で働くことなどできないでしょう。